アートのコンセプトは「自己統合」

私は昔から自分を意識的に抑圧してきたつもりはありませんが、それでも無意識的に内なる声を無視したり、本音に蓋をしたり、葛藤をそのままにしたりしてきた部分はあるように思います。
私にとってアートはそういう人間的な内面の葛藤をひとつずつ解消し、バラバラになっている「わたし」を統合し、本当の意味での自己を確立していくプロセスそのものでもあります。

ですから、インスピレーションは外側にあるものではなく、人間関係や自己との向き合いから感じたものや内側にあるアンコンディショナルなものをイメージして作品作りをしています。

私にとって自己統合とは、「ありのままの自分を見つけ、生み出す最初の自己肯定の瞬間」であり、この積み重ねが自分との絆を深め、自分らしい人生を歩むきっかけになると考えています。

数字や成果で順位をつけたり、価値観や違いをジャッジするのが人間ですが、アートの世界は違います。 アートは内側にある正直な気持ちに優劣をつけることなく、そのすべてを「わたし」として肯定し、優しく、美しく、自由に表現できるものだと捉えています。個性をさまざまな質感として落とし込んだり、グラデーションで人生の移ろいを表現すれば、誰かを傷つけることも優劣をつけることもなく、自己表現を純粋に楽しみ、認め合うことができると考えています。

私の魂の根底にある「自分に正直に生きる」をアートを通して繊細に、時にダイナミックに、できるだけ聞こえてきた声をありのままに表現し、
「本当の自分として生きる喜び」を伝えていきたいと思っています。